What is a record producer Monitering
What is a record producer Monitering
Monitering
2011年3月11日金曜日
プロデュース技法的なことからは話しがずれますが、モニタリングについて少し触れておきましょう。
音楽制作(録音・ミックス)の場においてモニタリング(スピーカーからの出音確認)は最も重要な項目のひとつとなります。楽器や歌、音楽そのものを判断する決め手であり基準となるのが、その場でのモニター環境です。
やっかいなのは同じアンプ・スピーカーを使えばどこでも同じ音が再現されるわけでは無いことです。部屋の特性が想像以上に音環境を左右してしまいます。壁や床、天井の構造、室内の形、置いてあるモノ、それらの材質や配置から反射音全てが影響を受けます。かと言って無響室で聴けば正確か?と言えば決してそんなこともありません。何故ならリスナーは決して無響室には住まないからです。
このやっかいな音場に関しては話しがとても難しくなってしまうので今回は割愛して、スピーカーの話しをしましょう。
音楽制作の現場でのスピーカー(以下アンプも含み)に何を求めるか?
これは一般的なオーディオ再生(リスニング)とは決定的に異なります。つまり気持ちの良い音が鳴ることなどは求めないことです。オーディオの場合は自分の好みの心地よい音を目指すことができます。もっと繊細な音を鳴らしたい。もっと低音の迫力を。もっとパワフルな感じ、等々好みで好きに追求できます。
それに対し制作現場で求めるべきは『正確な音』です。そこで鳴っている楽器、歌、それらを収音している
マイク信号から出る音。それを如何に”正確に”再現してくれるか、が最重要ポイントとなります。
さて問題は山とあるスピーカーの中からどれがその要求に叶うのかを選ぶのはなかなか至難の技です。
僕の知っている限りおそらく唯一その要求に応えられると思えるのが TimeDomain(タイムドメイン)理論で作られているスピーカーです。
TimeDomain理論とは、タイムドメイン社の由井啓之社長が考案したスピーカーの理論です。
詳しくは:http://www.timedomain.co.jp/ をご参照下さい。
タイムドメイン社以外にも富士通テンから出ているEclipseスピーカーなども全く同じ考えを基に作られているものです。:http://www.eclipse-td.com/technology/timedomain.html
正確な音の再現と言う点ではタイムドメイン社から発売されている TIMEDOMAIN MINI、TIMEDOMAIN LIGHT と言う 18,900円のアンプ内蔵の小型スピーカーをミックスの現場で使用しても全く充分です。もちろん低域の再生含め。[ 小さなスピーカーは低音が出ないと言うのは誤解・迷信です ]
ただし実際に僕が関わっている様な音楽(ほとんどがロック系なので)にスタジオで使うには音量が足りないケースが多いので僕は同じ理論で作られている富士通テンのEclips TDシリーズを使っています。
こちらはサイズも種々ありスタジオのモニタリング環境にも充分対応できるかと思います。
ただ仕事として音楽に接する場でタイムドメイン・スピーカーだけを使うことにもちょっとした問題はあります。
何かと言うと、くっきり・はっきり聴き取れてしまうところです。発音などもはっきり聴き取れてしまうので仕事で使う場合その恩恵に預かる部分は大きいのですが、逆に普通の(周波数ドメイン=FDと呼ばれます)スピーカーで聴いた時に聴き取りにくいところも出たりする可能性を含んでいます。
ですので僕の場合は必ずTimeDomainとFrequencyDomainの二種類のスピーカーを使い分けながら作業をします。
もちろん良い録音はどちらのシステムで聴いても良くなることは当然なのですが。
と言うか、実際のところは TDスピーカーでチェックしてみて良い音だとホっと胸を撫で下ろすのです。あくまで元の音=録音に対して正直な答えを見せつけてくれるからに他なりません。
それぞれのモニター環境、目的でずいぶん違いは出るのでしょうが、僕の場合は上記の様なやり方です。
色々試してみて下さい。ただし、音を見た目の大きさ(スピーカー)や形や値段で判断することは無意味ですよ!とだけ付け加えておきましょう。