What is a record producer
What is a record producer
How to record the basic tracks
2011年1月24日月曜日
バンドメンバー全員の準備も整い、いよいよレコーディング開始。
さあ、いよいよプロデューサーの腕の見せどころ!
の様ですが、実はこれから先はじっとひたすらメンバーが【いい演奏】をするのを待ち続けるのが仕事。時にはラフな演奏にも耐え、じっとじっといいテイクが録れるのを待つ。そして「これだ!」と思えた瞬間に「今のいいね〜!聴いてみる?」と間髪入れず判断できるのがプロデューサーの大事な仕事です。
これがある意味理想形かと思うのですが、実際にはそうも行きません。
楽曲の構造やアレンジに疑問を感じたり、楽器の音に問題を感じたり。ギターやベースのチューニングやドラムのピッチ感に問題を感じたり。個々人の演奏に問題を感じたり。スタジオ内の雰囲気に問題を感じたり、スタッフの動きに問題を感じたり、エンジニアの一言に疑問を感じたり、アシスタントの動きに問題を感じたり・・・等々枚挙にいとまのないほど問題が山積みとされるケースだってあります。
その時どうするか?もちろんそれはひとつひとつ解決するしかありません。もつれた糸をほどく様に。
例えば、ギターのチューニングが変だとします。
チューニングが狂ったか?弦の押さえ方か?ピックで引っかけていないか?部屋の温度や湿度のせいではないか?ギターのイントネーション(オクターブ)の調整が狂っていないか?ネックが反っていないか?ナットが高すぎないか?ナット溝の位置がコンマ数ミリずれていないか?チューニングメーターの設定が他のメンバーと違っていないか?弦をスライドさせる時に力が入り過ぎてそのままリリースできないでいないか?
実はベースが狂っているんじゃないか??
等々、ざっと考えただけでこのくらいの要因があり得ます。
そしてプロデューサーはそれを見抜けないといけません。もちろんギターの調整までできなくてもいいけれど、せめて楽器に問題がある!というところまでは見抜けないといけません。
同様にドラムにもベースにもキーボードにも歌にも、別の種類であれ問題が発生することはあります。
あるいはメンバー間の演奏の絡みやリズムやビートの合い方にも。もちろんアレンジにも。
これらひとつひとつ、着実に発見し問題に向き合い対処しなければ録音は進みません。
それらに的確なアドバイス、サジェスションを与え、場の空気も含め、柔らかく楽しく進行させて行くことも大事な仕事です。
そして、何があろうとプロデューサーは決してイラついたりしてはいけません。いつも冷静に穏やかに。出来ればニコやかにその”場”に存在していなければなりません。時には仙人の様に、時には空気の様に。
ひたすらじっと【いい演奏】を待つ禅僧の様な時間。実は幸いな時間であると言えます。